アイマスを愛するプロデューサーの皆様および統計沼に沈まれている皆様。
紅木弘です。
本記事は軽い気持ちでやってみたら思った以上に難しく,かといって没にするのは惜しい。というお話しです。
したがって,最後まで読まれた方には肩透かしだと思われてしまうかもしれません。
ですが,いつかリベンジしたいのと同時に,よりよい方法があればご教授願いたく存じます。
そういったお気持ちで,最後までお読みいただけたらなと思います。
プロデュース方針にはお世話になっております
2020/10/29にアイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ (デレステ)に「プロデュース方針」という機能が追加されました。
これは,場数ptを使うことでファン数の増加やライブの消費スタミナを減少させるなど,自分のプレイ方針によってデレステを快適に遊びやすくなるようになる機能です。
私は営業や放置編成ばかりの怠惰プレイをするデレステ民ですので,下記のように営業や放置編成がしやすいように場数ptを割り振っております。
そしてこの場数ptですが,このptはアルバムを埋めることにより貯まっていきます。
具体的には,表1のようにレアリティと特訓前,特訓後によって増加するptが決まっており,私が以前取らせていただいたアンケートでは3万ptから8万ptの方が7割近くを占めております。
(その後これまで特訓していなかったアイドルを特訓することが増えたはずなので,現在はこの割合が上の方に寄ったと思います)
https://twitter.com/hiroshiakagi398/status/1322019976983752704?s=20https://twitter.com/hiroshiakagi398/status/1322019976983752704?s=20
https://twitter.com/hiroshiakagi398/status/1322019976983752704?s=20
【拡散希望】
— 紅木 弘@統計屋(自称) (@hiroshiakagi398) 2020年10月30日
ご自分のアカウントのデレステプロデュース方針場数ptが......
さて,増加するptの量が決まっており,各レアリティの枚数がわかっているということは場数ptから各カードの所持率を推定することが可能なはずです。
本記事はこの仮定に基づき,実際に推定することが可能なのかについて検討しましたので,これについてお話しいたします。
やることは単純なのに......
表2に2020/10/29時点でデレステに実装されている各レアリティ毎の枚数を示します。
表1と表2より,同時点で獲得できる最大場数ptは105645ptであることが導出されます。
なお,現在プロデュース方針で割り振ることができる場数ptの合計は207300ptですので,全部に割り振るには10万pt以上足りません。
(ptの振り直しには有料アイテムが必要ですので,割り振りはご慎重に)
さて,ということは,場数ptから各カードの所持率を求めるためには,場数ptをkとすると,
という8つの変数を持つ一次不定方程式を解く必要があります。
一次不等式の解き方としては拡張ユークリッド互除法やベズーの等式による方法が知られており,プログラム的には繰り返し文を用いれば単純なプログラムで解くことが可能です。
しかしながら,変数が増えるとそれだけ繰り返し処理が増えることとなり,変数が8つとなると解を求めるために相応の時間が必要となります。
(そろそろ新しいPCに買い換えたい......)
したがって,今回は可能な限り簡略化するため,以下のような仮定を置きます。
- NおよびRは全て所持している(推定するのはSRおよびSSRのみ)
- 全て特訓済みである
1つ目の仮定は,デレステをプレイしていれば(ログイン勢であっても)十分にありえる仮定ですが,問題は2つ目の仮定です。
たしかに,プロデュース方針の実装により,これまで特訓をしていなかったカードを特訓するようになったのは私だけではないでしょう。
しかしながら,特訓のために必要なアイテムが足りず,全員を特訓できていないのも私だけではないはずです。
すなわち,これらの仮定,とくに2つ目の仮定は極めて強力な仮定です。
一方で,この仮定を置くことにより,推定に用いる式は
という変数が2つの極めて単純な一次不定方程式となります。これであれば,繰り返し処理も少なくてすむため,短い時間で解を導出することが可能です。
したがって本記事では,全てのカードが特訓済み状態での場数ptを「実質場数pt」とし,この値を推定することとします。
余談ですが,NとRを特訓するだけでも4395pt貯まりますので,特訓済みSRで73枚分,SSRなら29枚分に相当しますので,NやRの特訓は場数pt的に極めて重要です。
さて,上記のような強力な仮定を置いたとしても,まだまだ推定の実現には課題があります。
表3から表12に上記仮定時に1万ptから10万pt所持していたときのSRおよびSSRの推定所持数を示します。
これらの表からもわかるように,場数ptから推定できるSRおよびSSRの所持数には複数の場合があります。
上記の例では,最も少なくても19通り。最大で258通りもあります。
これらの中から所持数を推定する必要があるのです。
ただし,上記の表にはまずありえない組み合わせもあります。
例えば,SRがSSRよりも所持数が少ない場合です。
デレステにはガシャがあり,ある種当然ですが,SRはSSRよりも確率が高いです。
また,イベントで入手できる報酬もSRです。
つまり,デレステを普通にプレイしていれば,SRがSSRよりも枚数が多いということは考えにくいです。
しかしながら,この仮定を置いてもまだ組み合わせは複数あり,これだけで枚数を推定することは困難です。
であることをうまく利用すれば,所持数推定がより正確になるでしょうが,現段階ではこのくらいが限界です。
前述の通りいつかリベンジしたいですが,なにかよい方法があればご教授願いたく思います。
まとめ
以上,中途半端ではありますがまとめに入ります。
デレステの場数ptはそのシステム上,各レアリティの枚数推定が可能であるという仮定から,実際に推定を行いました。この結果,
- 全レアリティ,特訓前後を含めた推定のためには8つの変数を持つ一次不定方程式を解く必要がある。
- 特訓後のみかつSRおよびSSRのみを推定する場合は2つの変数をもつ一次不定方程式を解くこととなり,大きく簡略化される。
- しかしながら,この場合であっても最大で200通り以上の組み合わせがあり,ゲームシステムを加味しても枚数の推定は難しい。
と結論づけます。
風呂敷を広げた割になんとも中途半端でたたみきれていない結論となりましたが,
問題提起をしたということで一つお許しください。
何度も言いますが,いつかまたリベンジします。
それでは,これにて本記事を締めさせていただきます。
統計の力で,アイマスがもっと好きになる。
紅木弘がお送りしました。